「おこしやす」格子戸くぐれば春立てり
鳥雲や引つぱつてゐるほくろの毛
紙風船折り目でゆらり止まりけり
付合がよくて目刺もよく焦がす
匍匐(ほふく)前進!いそぎんちやくに消ゆる
ほくろの毛
瑣末なことですが、左顎のほくろに毛が生えている。
小さなほくろなのに、いっちょまえなのです。
気がつけばカットする。
ところが、これがまた、あっという間に生えてくるのだ。
腕や脛には、無毛症かと思うほど毛がないのに。
俳句のことなど考えているとき、
遠い目をして、ほくろの毛をいじっている自分がいる。
こういう瑣末なところを俳句に詠みたい。
いそぎんちゃく
どうしても渥美マリを連想してしまう自分を捨てたい。